不精髭
真夏の船釣りには帽子とサングラスが欠かせない。半そで・半ズボンでは日焼けがきつすぎる。長袖のパジャマが最適。それともう一つ。それが顔の不精髭。釣り行き前日から剃らずに伸ばし、髭の影で顔面を護る。でも、秋の彼岸が過ぎたからは髭はきちんと剃って、服装もピシッと決めて、魚魚どもをビックリさせたい。
さて、わがテリトリー播磨灘一帯では、海水温も先月の二十七度半を上限にじわじわ下がりはじめた。三月の大雨に続く梅雨。そして、夏の豪雨と昨今の台風。降雨量が結構多いにもかかわらず水温は例年比常に一、ニ度高いままだったのがようやく少し下がりはじめた。
また、今年に夏は風の強い日が多かったようである。その分、海底は攪拌され、低層が酸素欠乏状態になるのを免れた。
酸欠は有機物の分解によって生ずる。赤潮が大量に発生し、それが海底に積もるなどが原因ということらしい。船釣りをしていると、赤潮が気になってしかたがない。七月上旬にシャットネラ（有害プランクトンの一種・渦鞭毛藻類）が要警戒レベルを超えて発生し、養殖関係者にイケスの移動や餌止めなどの呼びかけがなされた。幸い短期間で収束したが危なかった。
フランクトンは赤潮の原因だとされ、悪者扱いされるが、食物連鎖の基底をなす最も大切な生物でもある。九月半ばの日経朝刊に米国東海岸の河口域で猛威をふるう毒プランクトンのことが掲載された。人間にも害をなす殺し屋プランクトンだとか。水質汚染のせいだ。
ギクッ！
もはや、不精髭ごときでは太刀打ちできぬみたいだ。